こんにちは!
理学療法士ママみんとです!
高齢者施設勤務の理学療法士として、認知症の方の介護に悩む方が多いなと感じています。
本日は認知症の方との関わり方についての持論を書きたいと思います。
目次
この記事を読んで欲しい方
- 高齢者施設勤務のリハビリ職員
- リハビリ学生
- 看護師、看護学生
- 介護士
- 認知症の親族を介護している人
- 今後、介護施設で働こうとしている人
結論
先に、認知症の方と関わるポイントをあげます。
- 目線が合っているか
- 不安の根本的な原因を理解しているか
- プライドを傷つけていないか
- 距離感は適度か
- 何はともあれ、安心感!
詳細
目線が合っているか
これは高齢者方と接する上で基本中の基本なのですが、しっかりと目線を合わせてお話しするのが大切です!
特に車椅子に座ってらっしゃる方とお話しする際にはしっかりとしゃがんでお顔を見ながら話すことを意識してください。
小柄な高齢者、もしくは車椅子に乗っている方から見て、たったまま喋る相手はとても高圧的に見えてしまいます!
↑こんな感じ(やばっ!)
初歩の初歩ですが、まず相手の顔を見ながら表情を感じながらお話しすることを忘れないようにしてください。
ベテランになればなるほど、これができなくなっている印象です。
確かに、屈んだ後に立つのめんどくさいしね…
でも、この一手間が歩かないかで相手の安心感は全然違いますよ!
相手の不安の根本的な原因を理解しているか
認知症の方が何か訴えているとき、何が不安なのかを考える癖が大切です。
例えば施設入居の方が…
あの、家に帰りたいんですが…
ここに入居されているので、ここにいましょう!
(え?ここが家?)
(ソワソワ…)
このようなこと日常茶飯事ではありませんか?
この利用者さんは”家に帰りたい”が本当の訴えなのでしょうか?
”家に帰る”しか解決策がないのでしょうか?
答えはもちろん”NO”です!
この利用者さんとの会話で大切なのは、『何が原因で家に帰りたいと訴えているのか』を読み取れるか、です。
家に帰りたいという訴えを”帰宅願望”と言いますが、帰宅願望の裏には不安があるのです。
その不安の具体例としては、
- ここ(施設)がどこだかわからない
- 一人でどうして良いかわからない
- ここ(施設)のルールがわからない
- 自分の役目(仕事や家事)がなくて不安、何もすることがない
- 誰に話しかけて良いかわからない
- 孤独
- その他
以上のような背景があると考えられます。
自分に置き換えて考えてみましょう。
もし、急に知らない建物にいて、混乱している際、何を考えますか?
同じではありませんか?
そして考えてもわからない時に目の前にいる人に『家に帰りたいのですがどうしたら良いですか?』と尋ねているのに、『ここがあなたの家ですよ!』と言われても余計に混乱しますよね。
なので、帰宅願望が現れた際には、相手のキャラクターや前後の事象を考えて、何が根本的に不安なのかを探ってみてください。
『〇〇さん、何が不安ですか?おうちに帰りたくなる時ありますよね、もしよければ私に気持ちを聞かせてください』と言ってみてください。
具体的なことを話してくれるかどうかは別として、確実に相手に安心感は与えられます。
ここで、具体的な答えを期待しないことが重要です。
今回の目的は”相手を安心させる会話をする”ことなので、ここでゴールを探さなくても良いのです。
そこで会話のキャッチボールができて、帰宅願望の正体の不安を少しでも取り除けたらオッケーです!
プライドを傷つけていないか
特に男性の高齢者の方は戦後から高度経済成長期を乗り越えてきた方です。
また、女性でも、大変な時期に子育てを担って何人も育てた方たちです。
現代社会では考えられないストレス下で生活を支えてきた方達です。
介護するこちらは彼らの半分の年齢すら達していない場合もあります。
そんな若造に(言い方悪いですが)タメ口で話されたり、子供扱いされて気分の良い人はいません。
人生の大先輩という概念を忘れずに丁寧に接しましょう!
しかし、ここで気をつけたいことは、全て相手に合わせれば良いということではありません。
ここから先は完全に私の持論なのですが、”人間としてやってはいけないことはしっかりと伝える”のが尊敬の一部だと思います。
例えば、当たり前ですが、暴力や暴言は利用者さんだからと言って許されるわけではありません。
それはしっかりと伝えなければいけないと思います。
人間相手に思うのであれば当然です。
話してもわからないから、と言って何も言わないのであれば相手を動物扱いしているのと同じだと思うんですよね。
なので、認知症があって伝わるかどうかわからないし、伝わらないことの方が多いとは思いますが、ダメなものはダメと相手に伝える努力をしています。
また、この対応をすることで、同じ空間にいる他の利用者様の不快感も払拭できる場合があります。
なので公正公平な対応を心がけましょう!
距離感は適切かどうか
プライドを傷つけてはいけないのですが、ある程度の信頼関係ができたら距離感を縮めることも大切です。
相手によってはかなり言葉を崩しても良いと思います。
しかし、これは”信頼関係が成り立った上で”の前提です。
何もタメ口にしろというわけでななくて、話し方を少しフランクにするだけでも良いです。
しかし、フランクに接する場合は相手のキャラクターや自分の年齢や経験年数等のケースバイケースでOKかNGか変わってきますので、まだお互いのことがよくわからない場合は控えておきましょう。
このように、距離感が適切かどうかを常に考えながら接していくことが大切です。
これは、長く関わっている利用者さんこそ常に考えながら話してほしいと個人的には思います。
何はともあれ安心感!
認知症の方の考えは、やっぱりこちらはなかなか理解するのに苦労します。
しかし、絶対的に言えることがあります。
それは”不安と常に戦っている”ということです。
認知症になった方は、常に自分の頭の中が自分の思うように動いていないため、自分が自分でないように感じます。
そして、不安の裏返しで怒ったり、抑うつ的になったり、多弁になったり、落ち着かなくなったりしているのです。
なので、その不安を解消してあげることが重要です!
そのためには、まず会話の最初に
大丈夫ですよ
の一言を伝えていください。
この6文字がとっても大切なんです!
とにかく不安を払拭するために私は対応しますよ、という意思表示です。
もちろん、笑顔で言ってください!
目線を合わせて、ですよ!
終わりに
認知症高齢者はたくさんいらっしゃいます。
そして、見た目には分かりにくいですし、何を考えているのかわからないため、介護者がイライラしてしまうこともあるでしょう。
しかし、適切な対応をすることで、逆にこちらの気持ちが落ち着くこともあります!
認知症は奥が深いため、私も勉強を怠らないようにしたいと思います。
私が参考にしている本でとても読みやすくて仕事で時間のない方でも昼休みにパッと読めるためおすすめの本がこちらです。
あと、つい昨日購入した書籍がこちらでして…
私読んで勉強になることがあればまたアウトプットしていきますね!
では、介護職の皆様、リハ職の皆様、明日も頑張って働きましょう!